健康のためなら死んでもいい
我々ガーデンプロ関西は健康を心掛けております。
奥谷社長や杉田は仕事よりもゴルフを愛し、真夏でも真冬でも構わずコースを回ります。
若手の成長株である谷はボディビルディングの大会出場を目指して毎晩ジムに通います。
そんな中、私もご多分に漏れず半年ほど前からウォーキングを始めました。
以前は縄跳びを張り切っておりましたが、自宅前でひたすら飛ぶだけの縄跳びに比べて、景色の変わるウォーキングはいいです。家族に邪魔されることなく好きなラジオや聴き、最近はオーディブルで話題の小説を聴きながら、ついつい歩く距離が延びます。始めた当初は30分ほどでしたが、今ではほぼ毎日1時間は歩きます。
ところが、調子に乗って歩きすぎた私は足にしびれを感じるようになり、それは次第に痛みへと変わっていきました。
そこで私は以前から気になっていた近所の整骨院を予約しました。
そこは和風モダンな建物を囲んだ植栽のバランスがとても素敵な整骨院で、車でその横を通りすぎる度、なんかいいなぁ…と思ってたクリニックでした。
中に入ると室内にも観葉植物が配置してあり、なんとなく癒される空間で、さらに受付も美人ということで、私は毎週ご機嫌に通院することにしました。
健康のために始めたウォーキングですが、その意に反し足を痛め、そのお陰で先生に体を、そして受付のお姉さんに心を癒されております。
私たちが普段何気に使う「健康」という言葉ですが、その語源は「健体康心(けんたいこうしん)」という言葉が縮まったものと言われています。
「健体康心」とは、健やかな体に康(やす)らかな心という意味で、つまり体だけではなく心も安らかな状態であることが重要だということです。
日ごろから健康管理に心を配り、病気にならないようにジムで鍛え、ヨガや呼吸法などを生活の中に取り入れようというお話はよく耳にしますが、慌ただしい日常の中でこれらを続けることは容易ではありません。
また体は鍛えても心を安らかにするという面を疎かにする傾向があるように思います。
作家の村上龍さんがコラムに面白いことを書いていました。
「観葉植物が置いてある職場はホワイトである」
これは職場環境を取り巻く「ブラック・ホワイト」を指すのですが、もちろん植物を置くだけではダメで、ちゃんと管理された鑑賞に耐えうる植物ということです。
癒しを与えてくれる植物ですが、やはり生き物ですから手間暇をかけて環境を整えることが大切で、それは同時に働きやすい環境を整えるということにも通じるのではないか、と村上龍さんは仰るのだと思います。
それを裏付けるようなお話で、以前、造園家の荻野寿也先生とお話する機会があり、そこで面白いお話を伺いました。
荻野先生が造園工事を手掛けた四国のとある歯医者さんは、それまで慢性的な人手不足で困っていたそうです。
それが荻野先生に造園工事を依頼して、外からも室内からも植物を感じることが出来るクリニックにリフォームしたところ、採用を希望する求職者が増え、同時に退職者もなくなったとのことでした。
私たちはなぜ植物に癒しを感じるのでしょうか?
ガーデンプロ関西にはガーデンセラピーコーディネーターが在籍するのですが、その一人、谷くんに質問したところ、長々とその解説を聴かされる羽目になりました。
その話を簡単に要約すると
「自然と接することで五感を刺激し脳が活性化されるんです。それにより免疫力が高まって病気にかかりにくい体になります。ドイツではガーデンセラピーや森林療法に保険が適応されてるんですよ」とのこと…
谷くんのいうことが信じられないわけではないのですが、試しに「森林療法の効果」について調べてみました。
それによると
・ストレスを軽減する
・血圧や脈拍を下げる
・免疫力を高める
・認知機能を高める
・創造性を高める等など、
様々な効果が期待されるようで、まさに「健体康心」の権化といっても過言ではありません。
森林とまではいかずとも自宅の庭や近所の公園に散歩することは、健やかな体と康らかな心を手に入れる近道のような気がします。
追記
スコアが伸びずストレスばかりを溜める奥谷社長のゴルフは「健体康心」とはほど遠く、そんなものは辞めてしまえばいい、と切に願う2024年の師走であります。